『100個チャレンジ』 デーブ・ブルーノ 人生で最高の日とは

 生きていく上でモノは必要不可欠だけれども、手当たり次第モノを手に入れることだけを目的に仕事をしたり生きていくのはつまらないし、決して素敵なことではありません。高価なモノを手に入れたから気分が高揚し、また仕事を頑張れるという流れも否定はしませんが、「幸せ」という観点から少しずれている気がします。

 今回紹介するのは、南カリフォルニアの閑静な住宅地に住み傍目からは絵に描いたような素敵なアメリカの中流階級のライフスタイルを送っていたデーブ・ブルーノ(DAVE Bruno)さんが、人生100個のモノだけで暮らせるかどうかチャレンジした過程(The 100 Thing Challenge)を綴った書籍。
 氏が38歳の誕生日を向かえた2008年11月12日からの一年間、100個のモノだけで暮らし、その過程で感じたアメリカ型消費社会への疑問や辛さが記されています。過程はブログなどでも紹介され、話題となったようです。

 詳しい内容は本書を手にしてもらうとして、本書に触れて個人的に心に残ったことについて。

 アメリカは南カリフォルニアで、素敵な奥様と元気な三人の娘さんと暮らす白人男性。仕事も順調で家族関係も良好。アウトドアライフを趣味として、まさに典型的なアメリカンライフを送る幸せな男性。欲しいものは大抵手にすることはできる。
 しかし、ある日掃除をしていて、自分がアメリカ型消費社会にどっぷりと入り込んで、「モノの奴隷」であることにある種愕然とする。
 そして人生100個のモノだけで生活することを思い立ち、ブログで宣言し、一年間実行してみる。

 過程で生まれた軋轢や苦悩は本書にゆずるとして、僕が一番心に残ったのは、氏が辿り着いた「人生で最高の日」についてのところ(第12章 心が軽やかになった日)。

 2009年8月5日水曜日。朝にサーフィンをしてから出社。午前中の仕事は順調。ランチは昨夜残った照り焼きチキン。ランチを済ませた頃、最愛の妻リアンから電話。夜に娘たちをサーカスに連れて行く予定が、急遽義理の両親(妻の両親)が代わりに連れて行ってくれるとのこと。つまりは、子供が居る家庭ではなかなかどうして難しい、久しぶりのデートのチャンス。
 職場を早めに出て家に戻り、着替えてから、妻と海辺の街にある雰囲気のいいメキシコ料理店に。おいしい料理を頂いた後に、すぐそばの海岸へ。妻と肩を寄せ合い、もう一度恋いに落ちているような感覚。
 家に戻り、Mac Bookでサーフィン映画を楽しんでいたところ、妻が目配せをしてきたのでコンピュータの電源を切った。
 しばらくすると、サーカスではしゃぎ疲れた娘たちが戻ってきて、その夜は犬猫モルモットを含む家族全員がぐっすりと眠った。

 使ったのはたった20個のモノ。
 そして、著者であるデーブ・ブルーノさんはこう締めくくっています。

 もちろん、すべてが理想的だったわけではない。
 (中略)
しかし、美しく住みやすい土地と、自然との触れ合い、安定した仕事、健康な家族、やさしい義理の両親、愛情に満ちた配偶者、メキシコ料理、そしてセックスのほかに望めるものなど、この世にあるだろうか。私たちは、メキシコ料理店で食前に祈ったが、それはもっともな行為だったと思う。感謝して当然だった。私たちは恵みを受けているのだから。

 シンプルに暮らす云々は、禅の教えが微かに残っている日本ならば頷けるのですが、消費社会の代表であるアメリカで提案・実践されたことに少々驚きを感じます。反響も凄かったことでしょう。

 さて、今まで僕が生きてきた30数年、最高の日と呼べる日はあっただろうか・・・。もちろんあるにはあるけれど、手垢のついたありふれたイベントごとの時くらいのもの・・・。
 今現在、僕が目指しているのは、シンプルでていねいな暮らし。ある意味、今回紹介したデーブ・ブルーノさんが提唱した100個チャレンジ(The 100 Thing Challenge)に通じるものがありそうです。そういう訳で、近い将来、同じように人生に必要な100個のモノをリストアップし、シンプルライフを実践しようかと目論んでいます。

 本書『100個チャレンジ 生きるために必要なモノは、そんなに多くない!』は、シンプルライフが気になる方々、そして帯の推薦状にもあるように、やましたひでこさんの『断捨離』に感銘を受けた方々にはオススメの一冊です。

The 100 Thing Challenge デーブ・ブルーノさんのブログ
100個チャレンジ  生きるために必要なモノは、そんなに多くない!
新・片づけ術「断捨離」

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2011-09-26 | Posted in 日々のこと, , , , Comments Closed