『松浦弥太郎の仕事術』 松浦弥太郎 術よりも仕事に対する姿勢を改めて気付かせてくれる

松浦弥太郎の仕事術 松浦弥太郎の仕事術
 著者:松浦弥太郎
 初版:2010年3月
 出版社:朝日新聞出版

【あらすじ】(内容紹介より)
 『暮しの手帖』編集長・松浦弥太郎氏の仕事術を多数収録。
 もともとは中古書店経営や文筆家として活動していた氏が、2006年に『暮しの手帖』編集長に抜擢され、部数を急拡大させていったのは、その卓越したセンスもさることながら、斬新な仕事術が理由だと言われている。
 「会議は行わない」「午前中はパソコンを開かない」「人と仲良くしすぎない」など、オリジナリティー溢れる仕事のノウハウが満載!

【レビュー】
 個人的に大好きな作家の一人である松浦弥太郎さんの最新の書。もっとも、Cowbooksという古本屋の店主という肩書き、そして雑誌『暮しの手帖』編集長という顔もお持ちなので、一概に作家さんとは言えないけれど、とにかく気になる存在のヒト。

 本書『松浦弥太郎の仕事術』は、巷に溢れるメソッド主体とした仕事術とは異なり、もっと根本的なところを独特のサラリとした語り口で展開している、言うなれば生き方指南の書。
 松浦弥太郎さんが言うに「ドロップアウトしたからこれしかなかった」的な生き方かもしれませんが、フリーランス的仕事をする人はもちろん、組織でサラリーマンをしている人にとっても、仕事に対する「姿勢」に関しては色々気付かされることが多い内容となっています。

 健康管理を怠らない、身だしなみに気を遣う、挨拶を忘れない等々、社会人として根本とも言える事柄を優しくサラリと語っています。
 書いてあることは至極当たり前の事ばかり。だけれども、多分それらを真っ直ぐに実行するのは中々困難かもしれません。普通なら自分に厳しく自己管理を徹底すべき云々という流れになるのですが、松浦弥太郎さんの独特の語り口もあって、あくまでも優しく(しかし鋭く)諭されている感じを抱いてくるのが不思議です。

 また、仕事に対する姿勢だけではなく、本書では情報カードを筆頭に様々なツールを介した仕事術も紹介されています。
 デジタルガジェット関連があまり登場してこないし、個人的にはデジタルガジェット活用は今後「必須」となると考えているので余り賛同する箇所はなかったのですが、その思考に関しては参考になるメソッドが幾つか見受けられました。

 最後に、第6章「自分のキャリアをデザインする」で触れられている「生涯のお守りになるルール」を紹介したいと思います。社会人として世の中で揉まれているとついついおざなりになるというか忘れがちになってしまうルールばかり。
・飾らないこと
・真似て学ぶこと
・嘘をつかないこと
・約束を守ること
・自立すること
・欲張らないこと
・心を込めること

 個人的には松浦弥太郎さんのような生き方が理想だけれども、自分自身は「松浦弥太郎」ではないし、見たことも会ったことも無いし、まして全てを知っているわけでもありません。本当は自分が苦手とするタイプかもしれないし、そうではないかもしれません。
 だけれども、松浦弥太郎さんの文章の透明感には強く惹かれるので、(良い意味で)他愛もない内容だけれども、多分手元に置いておいて時々見返したりすると思います。そう感じる書籍です。

 本書『松浦弥太郎の仕事術』は、昨今溢れかえっている「術」を散りばめた内容ではありません。どちらかというと、社会人としての仕事に対する姿勢を説いた内容となっています。
 松浦弥太郎さんがフリーランスとしての仕事をするで培ってきたイロハ、そして『暮しの手帖』の編集長として組織の一員として感じた仕事に関するイロハ。それらが優しい語り口で綴られています。
 フリーランスで働く人、そして組織の一員として働くサラリーマンの方にとっても、仕事に対する姿勢に関して、何らかの気づきを与えてくれる一冊だと思います。

松浦弥太郎の仕事術

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2010-03-23 | Posted in 技のこと, , , , , , Comments Closed