梅田望夫『ウェブ時代をゆく』 「心で読む」と現状の自分の環境と対峙することになる

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687) ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
 『ウェブ進化論』の梅田望夫さんの最新著書。前作とは対となり、完結される意味で書かれた本作。仕事論・人生論が主な内容となっている。

 あらかじめ断っておきますが、本書『ウェブ時代をゆく』は未読だ。だから、書評というカタチで本エントリーを記していくことは出来ない。ただ、『ウェブ進化論』は既読であり、ウェブ時代にどっぷり浸かっていた自分なので軽く立ち読みはした。結果、直ぐに購入することはなかったけれど、簡単にキーワードをピックして色々気持ちを整理しようと思う。


 まず初めに、本書を直ぐに購入しなかった理由を記そうと思う。正直言うと、正確には「ある意味怖かった」という気持ちと「苦手意識」という両方が交錯しているのが現状だ。
 文章(text)、要旨(abstract)ときて何にしろ「一番短いAbstractはタイトル(title)でなければならい」というルールにのっとれば、本書の内容を一番端的に表しているのは『ウェブ時代をゆく』だ。何となく自己啓発系書籍は苦手なので、人生論ぽいタイトルにまず毛嫌い気持ちが生まれた。

序章 混沌として面白い時代
第1章 グーグルと「もうひとつの地球」
第2章 新しいリーダーシップ
第3章 「高速道路」と「けものみち」
第4章 ロールモデル思考法
第5章 手ぶらの知的生産
第6章 大組織vs.小組織
第7章 新しい職業
終章 ウェブは自ら助くる者を助く

 そして章立てをチェックすると、「仕事論」と「ネット」系、そして「ロールモデル」というキーワードが並んでいる。

・仕事論
 ドロップアウトまでもいかないかもしれないけれど、かなりの回り道をしてきた人生。そして、今も色々「人生」について悩んでいる状態だ。生きるためには「飯のタネ」と割り切って仕事をするのも良いけれど、正直時間が勿体ないと思う。

・ネット
 完全な「ネット世代」だ。高校時代にダイアルアップでインターンネットでネットサーフィンして以来、どっぷりとネットの世界に浸かり、その後ある程度距離を保ちながらも「ネットが無い環境は考えられない」生活を送っている。

・ロールモデル
 正直、「もっと素直に生きられれば」と思うことがある。育った環境から生まれた「物事を俯瞰する感覚」(悪く言えば、全てを斜めから見てしまう)をスッと降ろして、何も考えず悩まずただ生きていきたいと思うことがある。
 ロールモデルがあれば(見つかれば)、もっと肩の力を抜いて歩んでいけるのだけれども、残念ながらそのようなモデルに出会ったことがない。少なくともリアルな環境では。

 話の流れに収拾がつかなくなってきている。
 このエントリーを記そうと思ったのは、Cnet Japanに掲載された梅田望夫さんの講演をまとめた記事に起因している。
リアルの世界に生きる人は、ウェブ時代をどう生きたらいいのか–梅田望夫氏講演:前編
「たいしたことない自分」だから、本を書いた–梅田望夫氏講演:後編

 前編で気になる言葉が記されている。

 それで分かってきたのは、本を読むのには2タイプあるということ。1つは頭で読む方法、もう1つは心で読む方法です。
 「ウェブ時代をゆく」は頭で読む人にとってはダメですね。そういう人にとっては、書かれているファクト(事実)が新しいか、自分が知らないことかが関心事なんです。自分の人生と遠いところにある。知を傍観者として論評する。学者に多いですね。もっとも、そうじゃなきゃ学者は務まらない。コンテンツで人生を惑わされてたら学者はできないですから(笑)
 でも僕を含めた市井の人、もがきながら生きている人は、生きていくエネルギーや答えを得るために、心で本を読む。
 「ウェブ進化論」は頭で読む人にもOKなんだけど、「ウェブ時代をゆく」は物足りないと思う。ただ、心で読む人には届くものがあるんじゃないかと思っています。

 個人的には、本を読む際、その時々の環境や自分の精神の持ちようで「頭で読む」時と「心で読む」両方が存在する。今は「心で読みたい」気分なので、梅田望夫さん理論で言えば『ウェブ時代をゆく』は心に染みいるかもしれない。

 しかし、だからこそ、今『ウェブ時代をゆく』を読む気分にならないのだ。多分、読み進めると別角度から自分自身の現状を俯瞰しながら見つめ、そして対峙していくと思うからだ。そして、そこから得られる感情であったり新たな発見が「怖い」と思うだろうと予測するからだ。

 それでも…、今週末所用で外に出かける際、新幹線の中で『ウェブ時代をゆく』を読んでいる自分が居るだろう。新幹線の中で読みつつ、目を離し車窓を眺め、そして色々考え、また書に目を移す…。

 ある意味衝動的に記したこのエントリー。拙いながらも、自分自身である意味「整理」が付きそうなので、『ウェブ時代をゆく』をチェックしようと思う。その際は、またエントリー記事をUPしたいと思う。もっとも、内容が濃そうなので少しずつ追っていくことになると思いますが…。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)

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2007-11-18 | Posted in 心のこと, , , , Comments Closed